はるけき森の雑語り

ボードゲーム「Root」についてなんか話していきたい

ルート 派閥個別インスト&軽い戦略紹介(河民商団編)

 どうも、幼女です。

 今回は非対称型ボードゲーム「ルート ~はるけき森のどうぶつ戦記~」に登場する派閥「民商」の個別インスト記事です。河岸拡張に登場するもう1つの派閥で、今までずっと触れられなかった「河」を初めて活用する派閥です。

 共通ルールのインスト記事はこちら。先に読むことをオススメします。

rootnazo.hatenablog.com

 基本セットの4派閥のインストは読まなくてもギリギリ理解できるかもしれませんが、先に読むことをオススメします。

民商団ってどういう派閥?

 争い、それは数々の苦しみを与えてきた。しかし同時に、それは商売のチャンスも生み出していた!

 河民商団は森の河から更に上流に遡る大きな湖に住んでいる。そして森での争いの顛末を聞きつけ、彼らは早速現地に赴き商売を始めたのだった。

 彼らはを拠点としています、故郷である湖から泳いでやってきた兵士たちは、支配を無視して河にいきなり現れ、森の住民に驚きを与えるでしょう。更に、彼らは唯一水泳に長けており、河に沿って移動できます。

 なによりも語るべきは彼らが提供する業務です。他の派閥は自分のターンの開始時に商団から業務を購入することができ、それらは例えば手札の購入だったり、商団の兵士を臨時の傭兵として雇ったり様々です。

 商団がこれらの業務提供から得られた収入は資産となり、これらの資産を使って故郷の本社に仕事を委託することで、彼らはクラフトや手札の補充などを行えます。或いは資産を広場の支配者に支払うことで交易所を設立して業務提供できる回数を増やしたり、逆に溜め込んで配当でVPを稼ぐこともできます。

 他のプレイヤーにとって業務が魅力的に見えるように盤面を作り、実際に業務を売り込む。今までの派閥とは一味違ったアプローチで他のプレイヤーとのインタラクションを楽しめる変わった派閥であり、資産をうまく使って最も効率的にVPを得るリソースマネジメントゲームを好む人にオススメの派閥です。

これは河民商団の派閥ボード

民商団は常に新しい市場を探し求めている。自ら汚泥に突っ込まない限り、貝は手に入らないのだ!

──ボード左上の陣営概要より

ところで派閥ボード右上の子めちゃくちゃえっちじゃない?ω口を見ると無条件でえっち!ってなる私の性癖に問題があるかもしれん。

セットアップ

 河民商団のセットアップ優先度はGです。(慣れた人向けに、セットアップ順が任意になる高度なセットアップも存在します。詳しくは該当記事(未完成)で)

  1. 兵士コマの準備:兵士コマ15体をサプライに用意する。比較的少ない方です。
  2. 兵士コマの配置:兵士4体を河が流れている広場に配置する。この時4体全て同じ広場に置いてもバラバラに置いても大丈夫です。自由に割り振りましょう。

    赤丸に囲まれた5箇所が河のある広場
  3. 交易所エリアを埋める交易所トーク9個を交易所エリアの対応する場所に配置する。商団は建物を持たずトークンのみを持つ珍しい派閥です。

    初見の時ずっと無意識に建物だと勘違いしてた
  4. 初期資産の獲得:サプライにある兵士コマ3体を派閥ボード上の支払いボックス(Payments)に配置する。商団の居るゲームでは兵士コマは通貨として扱われ、商団は初期から資産を3つ持つことになります。

    ただし支払いボックスにあるものはまだ資産として運用できない。詳しくは追々
  5. 初期価格の設定:業務マーカーを各業務の好きな価格の位置に1個ずつ配置する。これが他派閥が業務を購入する時の値段になります。

    価格は1~4の間で自由に設定でき、各ターン終了時に調整できる
    実際の業務マーカーはこのように半透明になります
    色合いも相まってキレイな河底を覗いている気分

 以上で河民商団のセットアップは完了です。ではまずは商団にとって一番大事な業務の内容と、他の派閥がそれらを購入する方法について説明しましょう。

業務

 他のプレイヤーたちはそれぞれのターンの鳥歌フェイズの開始時に1回だけ、業務の価格に等しい数の兵士をサプライからあなたの派閥ボードの支払いボックスに配置することで、あなたから業務を購入することができます。(回数を増やす方法はありますがそれは後で)

支払いはあくまでサプライの兵士で。マップ上の兵士は使えない

 放浪部族は兵士コマを持たないため、代わりに価格に等しい数のアイテムを使用済にし、商団は自分のサプライからその数の兵士を支払いボックスに配置します。

説明画像から私怨が滲み出ている

 業務は全部で3種類あります。

  1. 手札:購入者は商団プレイヤーの手札にあるカード1枚を選んで自分の手札に加える。この業務があるため、商団の手札に関しては1つ特別ルールがあります。

    売出し中

    あなたの手札は常に公開される。

     単純明快ですね。あなたの手札は常に見られているため、他のプレイヤーはそれを見て手札を購入するかを決めます。できるだけ魅力的なラインナップにしましょう。

  2. 河船:購入者はそのターン中、河を道として扱ってもよい。完全に道として扱われるため、移動だけでなく隣接の条件チェック(支持拡大する時とか)にも使えます。

    本来は2回移動が必要な場所へ1回の移動で辿り着けるのは一部派閥にとってとてもありがたい
     業務とは関係ないですがついでに商団の特殊能力を紹介しておきましょう。

    水練の達人

    あなたは河を道として扱える。河に沿って移動する時、支配のルールを無視する。

     商団は素で河を道として使えて、更に河船業務では得られない能力として河沿いの移動は支配を無視してよいです。河は完全に商団のテリトリーですね。
  3. 傭兵:購入者はそのターンの昼光と夕闇フェイズ中、河民商団の兵士を支配や戦闘のために使える。こう書くとシンプルに見えますが、細かい部分を少し追加説明していきます。
     まず戦闘では商団の兵士は完全に自分の兵士と同じ扱いになります。なのでヒット数上限に数えられますし、ヒットも受けます。ただしヒットを受ける時は強制的に自分と商団の間でヒットを平等に振り分けます(奇数の場合、余った1ヒットは自分で受けなければいけない)。
     放浪部族の同盟との同時攻撃に似ていますが、ヒット数の振り分けが固定である点が異なりますね。

    侯国が傭兵購入状態なのでヒット数上限が3であり、受けた2ヒットは両者で等分します
    侯国が仕掛けた戦闘なので建物破壊のVPは侯国が得ます
     そして当然ですが、商団に対して戦闘を仕掛ける時は商団の兵士を自分の兵士として扱えません。悪用は禁止ということです。
     次に支配ですが、こちらは単に広場支配権を決める時に商団の兵士を自分の配置物として数えるだけなので簡単です。
     これらを適用するタイミングは昼光と夕闇フェイズのみで、鳥歌フェイズでは適用されません。圧倒勝利の判定は鳥歌フェイズなので、傭兵を購入してそのまま圧倒で勝利することはできないということですね。適用タイミングの制限は抜け道防止の意味合いが大きいです。
     そしてこれら「自分の兵士として扱う」効果は全て戦闘と支配においてのみ効果を発揮するので、「自分の兵士を取り除いてなにかする」系の効果には使えません。徴税官のカード効果や連合の組織などがこれに該当しますね。
     ちなみに放浪部族は傭兵業務を購入することが禁じられています。ルールが色々ややこしくなりすぎるため、複雑性を上げるリスクより安定を取った感じでしょうか。

 以上が3種類の業務内容です。商団プレイヤーはこの3種の業務の価格を1~4の間で決められ、他のプレイヤーは価格と得られる効果を天秤に乗せて購入を決めます。

交易所

 他のプレイヤーは通常1ターンに1回しか業務を購入できないが、商団はマップ上に交易所を設立することで、業務の提供回数を増やすことができ、より多くの資産を手に入れることができます。

 これが交易所トークンです。3つの動物種に対応するものがそれぞれ3つ、合計9つ存在します。

 他のプレイヤーはデフォの1回に加え、「交易所トークンと自分の配置物が同時に存在する広場の数だけ」追加で業務を購入することが出来ます。

図の場合、デフォの1回に加え、王朝は+1回、侯国は+2回業務を購入できる
資産

 商団の派閥ボードには3つのボックスが存在し、これらの間を資産が移動することで、その資産の状態を表します。

  1. 支払いボックス(Payments):業務の項で説明した通り、ここは他のプレイヤーが業務を購入する時に兵士を配置する場所です。ここにある資産はまだ使用できず、各ターンの決められたタイミングに資産ボックスに移動し、利用可能な資産になります。
  2. 資産ボックス(Funds):ここにある資産は商団が昼光フェイズ中にアクションを行うために使用できます。
  3. 委託ボックス(Commitments):商団が昼光フェイズに資産を使用してアクションを行うと、使用された資産は一時的にここに移動し、そのターン中はもう使用できません。各ターンの決められたタイミングでここにある兵士は資産ボックスに戻り、再び利用可能になります。

 業務と資産に関する基本的な説明は以上、ではターンの流れを見ていきましょう。

民商団のターン

鳥歌フェイズ

  1. 商業保護:支払いボックスが空ならば、そこに兵士2体を配置する。
  2. 配当受け取り:交易所が1つでもマップ上に存在するならば、資産2つにつき+1VP。
  3. 資産回収:あなたの派閥ボード上にある兵士コマを全て資産ボックスに移動させる。

 鳥歌フェイズは主に昼光フェイズで資産を運用できるようにするための準備で構成されています。

 まず最初の商業保護ですがこれは単純な救済措置です。誰もあなたから業務を購入しなかった場合、自腹で兵士2体を資産に投入します。これにより最低限の資産拡大が保証されます。

 次に配当受け取り、これはあなたが資産ボックスに溜め込んだ兵士コマの数によってVPが得られるステップです。資産の項で説明した通り、資産をアクションに使うと資産は次のターンまで委託ボックスに移動するため、配当受け取りを稼ごうと思った場合はアクション回数を自粛する必要があり、両者の効率を天秤に乗せる必要があります。

6資産あるので、3VPを得ます

 最後に資産回収、派閥ボード上にある兵士コマというのはつまり:

  1. 他のプレイヤーが業務購入で支払いボックスに置いた資産(兵士)。
  2. 前のターンにアクションに使用し一時的に派閥ボード上の別の場所に移動した資産(兵士)

 これらを資産ボックスに戻し昼光フェイズのアクションに使えるようにするのがこのステップです。これが配当受け取りより後にあるため、アクションに使った資産は配当に加算されない寸法ですね。よく出来てる。

昼光フェイズ

  • 移動:資産1つを委託して移動1回を行う。
  • 戦闘:資産1つを委託して戦闘1回を行う。
  • クラフト:資産を交易所エリアの空マスに委託することでクラフトを行う。クラフトしたカードの効果を得る代わりに、それを捨て札にし自分のサプライから兵士1体を支払いボックスに配置してもよい。
  • 手札:資産1つを委託してカード1枚を引く。
  • 募兵:資産1つを消費して、河が通っている広場1つに兵士1体を配置する。
  • 守備隊&交易所設立:ある広場を支配している派閥から得た資産2つを消費して、その広場に対応する交易所トークン1つと兵士1体を配置する。既に交易所トークンが存在する広場でこのアクションを行うことはできない。

 昼光フェイズでは資産を使用してアクションを行いますが、資産の使用には委託消費の2種類があります。

 委託をする時は資産を派閥ボード上の委託ボックスに(クラフトだけ例外的に交易所エリアに)移動させます。委託した資産は鳥歌フェイズ時に回収されるため、総資産は減りません。

資産にある兵士はどの順番で使っても構わない

 消費は指定された数の資産を選んで、それらを持ち主のサプライに戻します。自分のボード上から消えるため、総資産が減ります。

資産2個消費で兵士2体を持ち主のサプライに戻す

 ではアクションを1つずつ説明していきます。

 移動戦闘は他の派閥と同じなので省略するとして、クラフトのやり方がちょっと特殊です。

 普通の派閥はマップ上にクラフトツールを配置することでクラフトを可能にしますが、商団は交易所を配置した後の「空マス」を使ってクラフトをします。

キツネの空マスに資産2個配置してコストがキツネ2のカードをクラフト
委託ボックスに移動してないですがこれも委託として扱われます

 資産で埋められた空マスは当然そのターン中はもうクラフトに使えません。鳥歌フェイズの資産回収で交易所エリアにある資産も全て回収されます。

 「交易所そのものを使うのと交易所の空マスを使うのって大して変わらないんじゃ?」と思うかもしれませんが、実はこれが大きな意味を持ちます。なぜなら交易所がマップから取り除かれた時、それらはボードには戻らずゲームから永久に取り除かれるからです。

交易所がマップから取り除かれる時、それをゲームから取り除く。更にあなたの資産ボックスにある兵士の半分(切り上げ)を取り除く。

 資産ボックスから取り除かれた兵士は普通に持ち主のサプライに戻り、交易所だけがゲームから取り除かれます。

 資産が減ってしまうのは痛いペナルティですが、ゲームから取り除かれることはペナルティよりもむしろメリットです。なぜなら「一度空になった交易所エリアのマスが再び塞がることはない」からです。

 通常の派閥はクラフトツールを破壊されるとそれをもう一度建てるまでクラフト能力に制限がかかりますが、商団は一度でも交易所を建ててしまえばその空マスはずっとクラフトに使用できます。逆にマップ上に存在する交易所トークン自体は業務提供の回数を増やすだけで、破壊されることで直接ダメージを被ることはありません。(資産半減自体は資産を全て委託で使い切ることで回避できますしね。)

資産ボックスが0なため無傷な商団の図

 そして商団がクラフトする時、その効果を得る代わりに捨て札にして自分のサプライから資産を1得る選択肢があります。ありますが、これは支払いボックスに配置されるため即効性はなく、またほとんどのカードの効果は1資産以上の価値があるため、よっぽど切羽詰まってる状態でなければまず選びません。

 手札アクションでは資産1つを委託してカードに変えられます。商団は唯一夕闇フェイズのカードドローが存在しない派閥であり、手札を補充したい時は資産を使わなければいけません。逆に言うと唯一能動的にカードを引きに行ける派閥なので、このアドバンテージをフル活用して欲しいカードを掘り出したり、他の派閥が欲しそうなカードを手札に揃えましょう。

 ここまでは委託で行えるアクション、ここからは消費しないと行えないアクションになります。

 まずは募兵、任意の資産1つを消費して、河が通っている広場1つに兵士を1体募兵します。資産はどの派閥の兵士コマを使っても関係なく、また募兵する広場も河が流れること以外特に制限はありません。河であれば自由に兵士を湧かせられるため、概ね河が拠点になります。逆に河から離れた内陸部(?)の広場はどう頑張っても募兵→移動の2手使わないと手が届かない(河を守る兵力を割かない前提)のであまり干渉できません。

資産1消費で1募兵

 最後に守備隊&交易所設立、これは商団のメインVP源の1つですので詳しく話します。

 最初に交易所を設立したい広場を選びます。同じ広場に交易所2つ以上は建てられないこと以外特に制限はないため、この後のコスト支払いさえできればマップ上のどこにでもいきなり交易所を建てられます。建物でなくトークンなので建物枠がいらないのも大きいですね。

 次に選んだ広場を誰が支配しているのかを見て、その支配プレイヤーの兵士コマ2つを資産ボックスから消費します。自分が支配しているならば当然自分の兵士コマを消費します。

王朝が支配しているので、王朝の兵士2つを消費する

 消費した資産をその持ち主のサプライに戻したら、広場に対応した動物種の交易所トークンを配置し、空いたマスに書かれたVPを得ます。全部共通して2VPなので別にどれから建てても変わらないです(実際、根の法典でも左から建てるとかの指定は特にされてないです)。

 交易所の配置に成功したら最後に兵士1体を配置して終わりです。この兵士が守備隊の役割になるんですね。

 以上が昼光フェイズに行える全てのアクションです。

夕闇フェイズ

  1. 手札が5枚以下になるように越えた分を捨てる。
  2. 業務価格を決める。

 昼光フェイズで言った通り、夕闇フェイズ時のカードドローがないため単に手札枚数を調整するだけです。

 そして次のターンまでの価格を決めるのもここです。盤面と手札から各業務の価値を見極めて価格を設定しましょう。

戦略イメージ

 以上が、民商ができることの全てです。

 河民商団は全派閥の中でも特に他の派閥との相互作用の仕方が特殊で、勝つためにはまず他のプレイヤーに業務を買わせて最低限自由に動けるだけの資産を手に入れてからでないと何も出来ません。

 そのために気をつけるべきいくつかの注意点を話します

  1. 業務の価格を1に設定しない。

 理由は単純で、業務価格が1だと商業保護による最低保証の2資産を下回るため単に損します。価格を1に設定して万が一次のターンまでその業務だけを1人だけが買った場合、次のターンあなたが得られる資産はたったの1、商業保護も受けられないのです。こうなるぐらいだったら価格を2にして、誰かが買ってくれれば資産2、誰も買ってくれなくても商業保護で資産2が手に入って損はしません。

 価格1にすればみんな購入してくれて資産2を上回るんじゃないか?と思うこともあるかもしれません。しかしそもそも他のプレイヤーにとって業務は必要な時だけ買うものです(なぜなら不必要に買いすぎても商団に力をつけさせるだけ)。

 不必要なら価格が1になったところで買ってくれないし、必要なタイミングであれば、価格が1でも2でも買いやすさにそこまで変わりはありません。(3になって初めてちょっと迷うが大体買い。4になると真剣に考え始める。)

 上の前提がある状態で価格を1に設定することを見てみると、

  • 業務が必要な時に1にすると:2でも買ってくれるんだから単純に2資産稼げるところが1資産になって損してる。他のプレイヤーは何か知らんけと安く買えてラッキーって思ってる。
  • 業務が不必要な時に1にすると:買ってくれないなら良い方で、上述のように誰かが1回だけ買って商業保護を潰す嫌がらせをしてくる可能性がある。

 と、メリットがないどころかリスクを背負うことになります。なので業務価格は2以上にしましょう。

  1. セットアップ時の価格は1にしてもいい。

 さっきまでの話と違うじゃないか!いや違うんですこれには理由があるんです。

 項目1でしたのはゲームが始まってからの話。ここではそれより前、1ターン目の話をするためにセットアップ時の手順を思い出してみましょう。

初期資産の獲得:サプライにある兵士コマ3体を派閥ボード上の支払いボックスに配置する。商団の居るゲームでは兵士コマは通貨として扱われ、商団は初期から資産を3つ持つことになります。

 そうです、セットアップ時に既に兵士を支払いボックスに置いてるため、どのみち1ターン目は絶対に商業保護を受けられないのです。これにより項目1で話した嫌がらせを受けるデメリットは消滅します。

 次に本来価格2で売れるものが1になるデメリットですが、ここは難しいところです。もしあなたの業務が他のプレイヤーにとって明らかに魅力的(侯国相手にトリカードを売るとか)であれば、まず間違いなく適正価格で売るべきです。しかしそこの判断が難しい盤面や手札であれば、とりあえず買ってくれる可能性を上げるために価格を1にする手段はありです。

 必要じゃないと買わないんじゃないか?という点について、ゲーム開始時では今後何が必要になるかの判断が難しいです(そのターンしか働かない河船や傭兵は別として、手札は本当にいつ必要になるかわからない)。そのため、価格を下げて少しでも「必要になるかもしれないし、今のうちに買っておくのもありだな……」と思ってもらうのは大事です。

  1. 手札は常に5枚にしよう。

 商品がなければ買いたくても買えない。世の理。一部派閥を除いてどんなカードが欲しいのかの見極めは簡単ではないのでとりあえず選択肢を用意しておくことは重要です。

 

 この3点が資産を手に入れるための注意点で、次は資産を運用する上での注意点を話しましょう。

  1. 資産を使い込みすぎない。

 当たり前ですね。ここでいう「使い込む」というのは資産を「消費」する交易所の設立と募兵の話です。クラフトをするためにも商品棚を充実させるためにもカードドローは常に欲しいのでいつでも手札を5枚に戻せる程度の資産は保つべきです。ドローとクラフトに使う分以上の資産も、戦闘で細かいVPを拾ったり、更にドローして手札の取捨選択したりと、色々使い道はあるので消費し過ぎには注意です。

  1. サプライには常に兵士を残しておこう。

 商業保護では自腹で兵士を配置する必要があるので、サプライに兵士がないと商業保護を受けることすらできません。そのためサプライには常に兵士を残しておきましょう。具体的には

  • 募兵をしすぎない(兵士をマップ上に溜めない)。
  • 資産消費する時は他派閥より自分の兵士を優先する。

 などがあげられます。

 

 以上の2点が資産運用における注意点です。資産を消費しすぎるのは避けるべきですが、交易所を建てなければクラフトができないのも事実。どれぐらい使うべきか見極めるためにVPを得るプランも少し触れましょう。

 商団のVP源は主に交易所の配置とクラフトです。特に商団は資産がある限りドローを繰り返せるため、意図的にコインや剣などの高VPカードを掘り出してクラフトすることが可能です。なのでクラフトによるVPは商団のメイン得点源の1つです。

 VPカードを全てクラフトするのに必要なツールはキツネ2、ウサギ2、ネズミ1であり、これを目指すように交易所を建てていきましょう。

 VPカードを要求ツールの動物種ごとに分けると以下の通り:

  • キツネ:ハンマークロスボウ
  • ウサギ:コイン、ブーツ
  • ネズミ:水筒、袋

 (2VP以上のものは太字、必要ツールが2個のものは赤字にしました)

 特に水筒とハンマーはクラフトが簡単で点数も高いため、他の派閥も我先とクラフトしようとします。なので手札に来た瞬間クラフトできるようにキツネとネズミは早めに交易所1つずつ設立しておきましょう。

 アイテムが手札に来たのにクラフトできない状況に出会ったら、夕闇フェイズに手札の価格を最大の4に設定して買われてしまうのを防ぎましょう。

 交易所は概ね5~6個は設立できるので大体10~12点、クラフトで8~12点、残りの点数は前述の2つをもう少し奮発するか、配当受け取りや戦闘で取りに行きましょう。

 配当受け取りを行う場合はできれば序~中盤程に余った資産で行う程度にとどめましょう。あまり資産を溜めすぎたり終盤に配当を受け取ろうとすると交易所を叩かれて資産がごっそりもってかれます。

 

 最後にオススメクラフトカードのコーナーです。

暗号解読者 コスト:ネズミ1

自分の昼光フェイズ中に1回、あなたが選んだ他プレイヤー1人の手札を確認してもよい。

 またの名を「市場調査」。これでカードを売りつけたい相手の需要を調べ、それに合わせて手札を調整しましょう。攻撃したい相手が奇襲カードを持っているかの確認にも使えます。

キツネ/ネズミ/ウサギの助力 コスト:キツネ3/ネズミ3/ウサギ3

キツネ/ネズミ/ウサギの全広場にある敵の全配置物を除去し、このカードを捨てる。

 クラフトの項で説明した通り、商団は一度手に入れたクラフトツール(交易所の空マス)を失うことがないため、非常に簡単に助力系カードをクラフトできます。これらが手札に来たら手札価格を4にして、他のプレイヤーに兵士4支払うか助力カードで吹き飛ばされるかの選択肢を突きつけましょう。楽しいです。

 

 おまけ:河岸拡張までの各派閥の客としての資質

  • 猫野侯国:お得意様。トリのカードがあれば価格3でもだいたい買ってくれる。資金力(サプライの兵士数)がGood。
  • 鷲巣王朝:そこそこ。需要が読みづらいけどどの業務にも欲しいタイミングはある。
  • 森林連合:あんまり。そもそも貧乏人(サプライの兵士数、たったの10!)なため買いたくても買えない。
  • 放浪部族:カス。俺の水筒を買っていくな。勝手にクラフトするな。俺の兵士で代金を支払うな。ぶん殴るぞ。(商団は資産がある限り戦闘を仕掛け続けられるため、無防備な放浪部族を殴るのに最適。殴ろう!)
  • 蜥蜴教団:お得意様その2。資金力は侯国並で、侯国以上に色んなカードが必要になるため最初から最後までお世話になる。
最後に

 遅れてすみませんでした………………(土下座)

 投稿期間が空いた原因は色々ありますが、主に他ゲームをやってました(東方とか、AoE2とか)。あと海外のルート二次創作を漁ったり翻訳したりもしてました。いずれ紹介したいですねぇ、予定は未定。

 次は日本語版が発売されているものの中では最新の拡張、地底拡張の派閥を紹介する予定です。では。