どうも、幼女です。
今回は非対称型ボードゲーム「ルート ~はるけき森のどうぶつ戦記~」に登場する派閥「森林連合」の個別インスト記事です。戦略解説も多少していきますがあくまで参考までに。戦略についての発言は全て頭に「※個人の感想です」がついてると思ってください(逃げの姿勢)。
共通ルールのインスト記事はこちら。先に読むことをオススメします。
また、記事の構成について、基本セット4派閥に関しては最初から順に読むことを前提にして、拡張に関しては基本セットを全て読んだ後ならどこからでも読める構成にしようと思います。
そのため、この記事では今までの記事で話したことを踏まえた話もしていきます。
猫野侯国や鷲巣王朝のインスト記事はそれぞれのリンクから。
森林連合ってどういう派閥?
戦いばかりの毎日にはもううんざり!来る日も来る日も領土争いをしている猫野侯国と鷲巣王朝に民は辟易していた、しかし民草の声が権力者に届くことはなく、戦争はずっと続いていた。そんな中、ついに二大勢力を森から駆逐すべく、反逆の狼煙を上げんとする者達が居た、それが森林連合です。
初期の森林連合は弱小そのものです。彼らは兵士を持たず、活動するための拠点すらありません。なので始めのうちはただひたすら地道に各広場の住民たちに呼びかけ、支持を得ることに専念することになります。呼びかけによって二大勢力への反感が強まった住民たちは、二大勢力が自分たちの住む広場で軍事行動を行うたびにその敵愾心を燃やし、自ら連合の支援者となるべく蜂起することとなるでしょう。支援者が増えて力を蓄えた連合の次の目標は、反乱を引き起こし広場を占拠し、念願の兵力と、兵士を訓練するための拠点を手に入れることです。自分たちでも大勢力に反抗できるところを見せれば、より爆発的に支持を手に入れることができるでしょう。
拠点を手に入れれば確かにいろんな軍事行動に手を出せる様になりますが、しかしそれで戦いを繰り返せば二大勢力と同じ穴のムジナになってしまう。連合の目的はあくまで住民に寄り添い、「支持」を得ることであると、ゆめゆめ忘れないでください。
出来ることの少ない序盤を辛抱強く耐え、無事拠点作成にたどり着ければ、森林連合は全派閥の中で一番の伸びを見せます。先頭を走る奴らをゴボウ抜きにする大器晩成型のプレイングを好む人にオススメの派閥です。
派閥概要フレーバーテキストはお休みです。森林連合のボードは書くことが多いから多分入らなかったんでしょうね。
セットアップ
森林連合のセットアップ優先度はCです。猫野侯国と鷲巣王朝の後にセットアップを行います。(慣れた人向けに、セットアップ順が任意になる高度なセットアップも存在します。詳しくは該当記事(未完成)で)
と言っても森林連合はマップ上のセットアップは無く、自分の派閥ボードのセットアップしかないので実は順番なんてどうでもいいですけどね。
森林連合のセットアップは以下の通り:
- 兵士コマの準備:サプライに兵士コマを10個用意する。めちゃくちゃ少ないです。
- 拠点タイルの配置:拠点タイル3種類各1枚を、派閥ボードの対応する枠に置く。これらをマップ上に建てることが中盤までの目標になります。
- 支持エリアを埋める:支持トークン10個を支持エリアの枠に全て置く。これが森林連合のメイン得点源です。
- 支援者獲得:山札の上から3枚を派閥ボードの支援者ボックスに置く。この支援者は森林連合が反乱や支持の獲得など「一般住民」に関わる行動をする際に必要不可欠なものです。
以上で森林連合のセットアップは終了です。ではまず最初に、連合のVP源であり色んなギミックに繋がる支持トークンについてお話しましょう。
支持トークン
この丸っこくてかわいい拳を突き上げてるイラストが描かれているのが支持トークンです。これを置くことで連合は侯国と同じく配置時VPを得ることができます。
配置する方法は、鳥歌フェイズの支持拡大のステップで支援者ボックスにある支援者カードを消費することで置けます。説明しましょう。
仕組みは猫野侯国の建築に似ています。まず最初に支持トークンを置きたい広場を選びます。この時選べる広場は「既に支持トークンが置かれている広場に隣接している広場」です、ただしまだ盤面に支持トークンが1つもない時のみ自由に選べます。
次に支持エリアにあるトークンの内一番左にあるものを見て、コストを確認します。
そしたら書いてある数字の分だけ、支援者ボックスから対応する動物種の支援者カードを消費します。
これで支持拡大は成功し、支持トークンを配置して空いたマスに書かれているVPを得ます。
以上が支持拡大のやり方ですが、注意すべき点が2つあります。
配置上限:1つの広場につき支持トークンは1つしか配置できない。
戒厳令:対象の広場に他のプレイヤーの兵士が3体以上存在するならば、コストに必要な支援者カードの枚数は1枚増える。
1つ目の配置上限は王朝の止まり木の配置上限と同じものです。その広場の住民に支持されているかを示すものなので1つだけです。
2つ目の制限は「他のプレイヤーの兵士の合計が3体以上」ではなく「他のプレイヤーのうち誰かの兵士が3体以上」という制限です。戒厳令を敷かれて目立って活動がしづらくなるんですね。
支持トークンが置かれている広場は「支持広場」であり、そこの住民たちが連合に共感していることを示します。置かれていない広場は「非支持広場」と言います。
支持広場となった広場は「蜂起」という特殊能力を持つようになります。
蜂起
他のプレイヤーが支持トークンを破壊、または支持広場へ兵士を移動させた場合、そのプレイヤーは対応する動物種のカード1枚を手札から支援者ボックスに入れなければいけない。それができない場合、そのプレイヤーはあなたに手札を見せ、あなたは山札の上からカード1枚を支援者ボックスに入れる。
支持広場の住民は二大勢力を敵視しているので兵士が歩いていたり、ましてや殴ってきたりしたら当然怒りの蜂起を起こします。蜂起が起こると住民たちが支援者になります。
序盤に配置された支持トークンは基本的に無防備状態で破壊され放題ですが、破壊されると蜂起が起こって、配置に使った支援者とと蜂起で増えた支援者でプラマイゼロになります。そしてその間蜂起を引き起こしたプレイヤーは手札損したりアクション損したりするので、そのうち手がつけられなくなるようになります。
森林連合の序盤はとにかく支持拡大して破壊されを繰り返し、反乱の隙を伺うことになります。
……反乱?
反乱
同じく鳥歌フェイズにある反乱ステップで、森林連合は支援者カードを消費することで反乱を起こすことができます。
まず反乱を起こしたい広場を選びます。まだ対応する拠点が派閥ボードに残っている支持広場が反乱できる対象になります。
次にコストとして支援者ボックスから対応する動物種のカードを2枚消費します。トリのカードで代用はもちろん可能です。
コストが支払えれば反乱は成功し、反乱を起こした広場にある敵の配置物を全て取り除きます。
取り除いたら対応する拠点を配置して、その広場と同じ動物種の支持広場の数の分だけ兵士を配置します。
最後に、サプライにある兵士1体を派閥ボード上の指揮官ボックスに置きます。ここに入っている兵士は指揮官となり、指揮官の数がそのまま森林連合が各ターンに行えるアクションの数になります。
拠点の空マスには+1カードアイコンがあるので拠点を建てると夕闇フェイズに補充できるカードが増えます。更に拠点には支援者ボックスの上限を取っ払う機能もあります。改めて支援者ボックスに書いてある文字をよく見ましょう。
支援者
マップ上に拠点が存在しないならば、5枚を超える分のカードは捨て山に置く
この通り拠点がなければ支援者の上限は5枚であり、5枚目以降の新しく入ってくるカードはそのまま捨てられます。拠点があれば上限は無いので無限に入ります。
そして、拠点は破壊されるとペナルティが課されます。
拠点の除去
拠点がマップから取り除かれるならば、支援者ボックスにある対応する動物種のカード(トリのカード含む)を全て捨て、指揮官を半分(切り上げ)取り除く。
その後、マップ上に拠点が残っていないならば、支援者カードが5枚になるように超えた分を捨てる。
対応する動物種なので、例えばネズミの拠点が取り除かれれば支援者ボックスからネズミとトリのカードがごっそり消えます。そうすると新しくネズミの広場に支持拡大することも反乱を行うことも難しくなります。きっと拠点を守りきれない勢力に住民も付いていき辛いのでしょう。
指揮官が半分になるのは単純にアクション回数が半減するのでこちらも厳しいです。
このように拠点を破壊されるとかなり重いペナルティがあるので、できれば拠点を守りきりたい……しかしサプライにある兵士の数は10体だけ、一部は指揮官になることも考えると守りきれるのかかなり怪しい……のですが、実は森林連合は全派閥の中でも非常に守りに長けています。その秘密は特殊能力にあります。
ゲリラ戦
防御側としての戦闘中、あなたは出目が大きい方のダイスを取り、攻撃側は小さい方のダイスを取る
通常の戦闘では攻撃側が大きい方を取りますが、森林連合は防御側であっても大きい方を取ります。これにより攻撃側が2以上のヒットを出せる確率は半分以下になります。
森林連合のVP源である支持トークンは配置に広場の支配を要求しないため兵士を移動させる必要はないので、ゲリラ戦も活かして拠点を守らせましょう。
支持トークンと拠点関連の説明は大方終わりましたので、次はいよいよターンの流れに入ります。
森林連合のターン
まず最初に、森林連合のターンのリズムは前の2派閥とはかなり異なるものです。
侯国や王朝のターンは「鳥歌フェイズに準備(木材の生成、勅令の追加)」「昼光フェイズに行動(アクション、勅令の実行)」「夕闇フェイズに休息/収穫(手札の補充、VPの獲得)」という構造になっています。
対する連合は「鳥歌フェイズに前のターンの成果を収穫」「昼光フェイズに準備」「夕闇フェイズに様々な行動」という構造になっています。
他派閥が活発に動く昼に計画と準備を進め、誰もが寝静まった夜に動き出す、まさに反乱軍らしい動きを取ります。
これを念頭に置いておくと森林連合の動き方が分かりやすいと思います。
鳥歌フェイズ
上で解説したものと同じです。しかしよく見ると、順番は反乱→支持拡大の順になっています。つまり支持拡大してそのまま反乱することはできず、支持拡大してから次のターンまで耐えなければ反乱できません。その間に支持トークンは破壊されたりしますが、蜂起の項で説明した通り序盤を辛抱強く耐えればいつかは反乱ができます。
昼光フェイズ
これらのアクションは任意の回数行える。
クラフト:支持トークンを起動してクラフトを行う。
動員:手札にあるカードを1枚支援者ボックスに移動する。
訓練:マップ上にある拠点に対応する動物種のカードを1枚消費して、指揮官ボックスに兵士を1体配置する。
森林連合のクラフトツールは支持トークンです。侯国や王朝と比べるとツールの配置難易度が低く、ツールを配置してからクラフトが行えるので、前のターン終わりに引いたカードをそのままクラフトしやすいです。(侯国や王朝は、カードを引く→(ツールがなければ)ツールを建てる→クラフト、で2ターン後を待つ必要がある)
動員は手札を支援者に回すアクションで、訓練は指揮官を増やして夕闇フェイズのアクション数を増やすアクションです。特にクラフトしたり手札に残したいカード(奇襲カードとか)でなければ手札は全部この2アクションに費やされるでしょう。これが概ね侯国の木材産出や王朝の勅令追加にあたる、連合にとっての準備行動です。
動員の方は手札がある限り行えますしあまりデメリットはないですが、訓練はサプライの兵士を減らすので盤面に配置できる兵士が少なくなります。ただでさえ10体しか無いですからね。そのため、訓練は必要に応じて計画的に行いましょう。
夕闇フェイズ
- 作戦行動を指揮官の数に等しい回数だけ行う。
- 移動
- 戦闘
- 募兵:拠点のある広場に兵士1体を配置する。
- 組織:兵士1体を取り除き、その兵士が居た広場に支持トークンを配置する。
- カードを1枚引く、派閥ボード上の開放されているの数だけ追加でカードを引く。その後、手札が5枚になるようにカードを捨てる。
夜になってからが連合の本番です。作戦行動のうち移動、戦闘、募兵は王朝のそれと同じなので、連合特有のアクション「組織」について話します。
と言っても書いてある通りだけですが、このアクションの真髄は「組織アクションで支持トークンを配置しても通常通りVPを得られる」点にあります。
見ての通り右に行くほどVPが上がる代わりにコストも増え、さらに言えば後半はどこの広場も基本戒厳令が敷かれているのでコストは更に1枚増えます。しかし組織をすればコスト不要でVPガッポガッポです!
また、組織をすれば兵士がサプライに戻ってくるので、3アクションがあれば「移動→組織→募兵」することで拠点の守りを薄めさせることなく組織が行なえます。
当然相手にもそれがわかっているので邪魔してきます。組織であっても「1広場に支持トークンは1つまで」のルールには従わなければいけないので、拠点広場では組織ができません。なので拠点から移動しなければいけませんが、拠点広場の支配権が他派閥にあると移動はかなり難しいです(周りの広場は大体他派閥に支配されている)。
なので相手は拠点広場に大量の兵士を置くだけ置いてきます(戦闘は連合が絶対有利なので戦闘はしてこない)。後半の連合は基本この支配合戦をしながら組織で戦います。隙があれば通常の支持拡大をするのも忘れずに。後半のVPの伸び代は全派閥中最大級のものなので楽しいです。
作戦行動が終われば他派閥同様手札を補充して終わりです。序盤ではここで次のターンまで都合のいい支持トークンが残るか都合のいい支援者が蜂起でやってくることを祈るアクションが入ります。それも森林連合をプレイする時の楽しみの1つですけどね。
戦略イメージ
以上が、森林連合ができることの全てです。
戦略に関しては前半に支持拡大と蜂起を繰り返しながら隙あらば反乱し、拠点が立てば指揮官を3体確保して移動組織募兵を繰り返してVPを稼ぐ、これに尽きます。
しかし分かってる相手には拠点広場の支配権を奪われて組織がうまくできない場合がほとんどです、なので通常の支持拡大に頼ることになるのですが、その場合はどう戦えばいいのでしょうか。
支持トークンを高いコスト支払って配置するためには支援者が必要なので、支援者を稼ぐためにも蜂起をたくさん起こす必要があります。
そのために支持トークンは相手の兵士がかならず通る広場や、絶対に反乱されたくない広場に配置するといいでしょう。具体的には王朝が移動に勅令を入れた動物種の広場周辺や、侯国が木材流通ラインに絶対必要な広場などです。
ちなみに戦闘で支配を取り戻すのは最終手段です。攻撃側では大きい出目を取るとはいえ、連合は兵士の数自体が少ないので攻撃側でアドバンテージは取りづらいです。
今回も最後にオススメクラフトカードを紹介しておきましょう。
キツネ/ウサギ/ネズミたちの助力 コスト:キツネ3/ウサギ3/ネズミ3
キツネ/ウサギ/ネズミの全広場にある敵の全配置物を除去し、このカードを捨てる。
「助力系カード」と呼ばれるカードたちです。反乱を同じ動物種の広場全てで同時に起こすようなカードです。イラストでは住民たちが破壊工作を手伝ってくれるところが描かれています。
森林連合は一番ツールの配置がしやすいため、他派閥と比べて助力系カードがクラフトしやすいです。配置物を一気に取り除くのでそこそこのVPが手に入ります。
最後に
ようやく3派閥目まで終わりました……基本セットでみたらそろそろ終わりですが、全体で見るとまだまだなんですよねぇ……拡張にも好きな派閥その他色んな要素がありますので、絶対に完走したいです。というか公式コンテンツは全部やりきりたいです。なんなら二次創作でオリジナル派閥とかが高クォリティで存在するのでそれらも紹介する可能性があります。今はあくまで公式コンテンツだけを目標にしますけどね。
次は放浪部族です、話すことが多くて順序組み立てるのが難しそうですがなんとかします。えっ?今までも別にうまく順序立ててたわけじゃないって?頑張ります。(会話を締める)
では。