はるけき森の雑語り

ボードゲーム「Root」についてなんか話していきたい

ルート 派閥個別インスト&軽い戦略紹介(放浪部族編)

 どうも、幼女です。

 今回は非対称型ボードゲーム「ルート ~はるけき森のどうぶつ戦記~」に登場する派閥「放浪部族」の個別インスト記事です。ルールの量が多すぎて抜けがある可能性が高いので、どんな方でも内容について疑問がありましたら気軽に質問していただければ幸いです。あと今までで一番戦略解説が参考にならないです。戦略についての発言は全て頭に「※個人の感想です」がついてると思ってください(逃げの姿勢)。

共通ルールのインスト記事は下のリンクから。先に読むことをオススメします。

rootnazo.hatenablog.com

 また、記事の構成について、基本セット4派閥に関しては最初から順に読むことを前提にして、拡張に関しては基本セットを全て読んだ後ならどこからでも読める構成にしようと思います。

 そのため、この記事では今までの記事で話したことを踏まえた話もしていきます。

 今までの3派閥のインスト記事はそれぞれのリンクから。 

rootnazo.hatenablog.com

rootnazo.hatenablog.com

rootnazo.hatenablog.com

放浪部族ってどういう派閥?

 放浪部族は孤独な旅人であり、戦乱によって変化する森の情勢の中で、自分自身の名声を上げるために行動します。

 放浪部族には様々な得点方法があり、他の派閥に手札を援助して同盟を結んだり、逆に攻撃と破壊を繰り返し悪名を上げたり、あるいは我関せずに住民に依頼されたエスを達成したりなど、状況に応じて柔軟に戦略を変えることができます。

 そして放浪部族のあらゆる行動にはアイテムを使用します。アイテムを集める手段にはクラフトや遺跡の探索、そして他派閥への援助の報酬などがあり、アイテムの種類によって行えるアクションも違うので、手に入れる順番によってもプレイングが変化するでしょう。

 更に放浪部族には色んな種類のキャラクターがあり、各キャラクターにはそれぞれユニークな特殊能力があります。

 他プレイヤーから手札を盗む盗賊や、捨て札から使えるカードを拾う修繕屋、勝手に争いを引き起こすさすらい人、破壊工作に励むならず者、アイテムの扱いに長けた冒険者など、実に多種多様で魅力的なキャラクターがいます。

 大勢力を指揮して陣取りする他派閥とは違い、1人だけRPGをしているような放浪部族。援助や破壊行為を通して、他のプレイヤーと違う角度でゲームに多大な影響を与えられる、物語の主人公あるいはトリックスターのような体験を味わいたい人にオススメの派閥です。

これは放浪部族の派閥ボード

森の中をさまよい、形作られつつある新しい社会のなかで、自分にとっての居場所を探し求める旅人。

──ボード左上の陣営概要より

セットアップ

 放浪部族のセットアップ優先度はDです。基本セットの中では最後にセットアップを行います。(慣れた人向けに、セットアップ順が任意になる高度なセットアップも存在します。詳しくは該当記事(未完成)で)

 放浪部族のセットアップは以下の通り:

  1. キャラクターカードの選択:全てのキャラクターカードから1枚選んで派閥ボードのキャラクターカードボックスに表向きで配置する。王朝の君主と違って残りは使わないので箱に仕舞って大丈夫です。

    各キャラクターは最後に紹介します
  2. 放浪者コマの配置放浪者コマを任意の樹林に配置する。放浪者コマは兵士コマとは違うものなので色々ルールも違います。

    樹林であればどこでもいいです
  3. エストカードの準備エストカード15枚をシャッフルして裏向きにして専用の山札にし、そこから3枚めくって初期クエストとする。これらのクエストを達成することで放浪部族は手札を増やしたりVPを得たりすることができます。

    エストカードのイラスト、表裏どっちもかわいくて好き
  4. 遺跡アイテムタイルの配置:マップ上にある"R”と記された建物枠4つに4種類の遺跡アイテムをランダムで1個ずつ配置し、その上に遺跡タイルを置く。この時どの遺跡アイテムがどの位置にあるかは誰にもわからないようにします。

    遺跡アイテムにはRのアルファベットが書かれてます

     

  5. 開始時アイテムタイルの獲得:キャラクターカードに記載された開始時アイテムを得て、それぞれ派閥ボード上の所定の位置に置く。開始時アイテムにはSのアルファベットが書かれています。自分が選んだキャラクターカードに記載されてるもの以外の開始時アイテムは箱に仕舞いましょう。使いません。

    初期アイテムによって戦略も大きく変わる
  6. 関係マーカーの配置:ゲームに参加している各派閥の関係マーカーを派閥関係エリアの無関心の欄に配置する。放浪部族はそのプレイングによって各派閥と友好になったり敵対になったりします。

    派閥アイコンが並んでるとめっちゃかわいい

 以上で放浪部族のセットアップは完成です。次は放浪部族が行動するのに必要不可欠であり、今までなんとなく説明を後回しにしてきた、アイテムについてです。

アイテム

 アイテムにはRと書かれた遺跡アイテム、Sと書かれた開始時アイテム、そして何も書かれておらずマップ左上のサプライに置かれた通常アイテムがありますが、これらの違いは「ゲーム開始時にどこに用意されているか」だけで、使い道も使い方も全く同じです。

 通常アイテムは、共通セットアップの時にアイテムサプライに用意され、個数に限りがあります。

 サプライに無いアイテムが記載されたカードはクラフトできなくなります。アイテムが無いのにVPだけを得るためのクラフトはできないということですね。

ハンマーがサプライにないので、ハンマーを得るカードはクラフトできない。

 放浪部族が手に入れたアイテムは、いくつか特殊なものを除いて、全て派閥ボードのかばんエリアに配置されます。

 アイテムには「未使用/使用済」と「非損傷/損傷」の2つの独立したステータスがあり、「未使用/使用済」はアイテムタイルの「表向き/裏向き」で表し、損傷状態はかばんエリアの損傷アイテムボックスに置くことで表されます。

2×2で4通りのアイテム状態がある

 アクションを行うにはそのアクションで要求されるアイテム(未使用&非損傷の物)を使用済にする必要があります。

 ここまではアイテム使用に関する基礎知識、次は各アイテムごとに入手方法とどんなアクションが行えるか説明しましょう。

松明

 入手方法:開始時アイテム

 全てのキャラクターが初期アイテムとして所持し、クラフトでも遺跡探索でも手に入らない世界で一本だけの松明です。

 松明は探索アクションと特別アクションに使用します。

 「探索」は遺跡タイルが存在する広場で行えるアクションで、遺跡タイルを取り除いてその下にある遺跡アイテムを入手し、1VPを得ます。放浪部族はアイテムが命なので、最初の数ターンは基本的に遺跡巡りして「探索」でアイテムをかき集めるところから始まります。また、遺跡タイルを取り除くとその建物枠が開くので、概ね猫野侯国が喜びます。

 「特別アクション」はキャラクターがそれぞれ持つ固有のアクションです(持たないキャラクターもいます)。詳しくは各キャラクターを紹介する時に一緒に説明します。

ブーツ

 入手方法:開始時アイテム、遺跡アイテム、クラフト

 ほとんどのキャラクターが初期アイテムとして所持していて、クラフトできるカードも多いアイテムです。

一部のカードは同じ名前を共有します

 ブーツは移動アクションに使用します。

 「移動」は放浪者コマを今いる場所から隣接する広場に移動させるアクションです。ここで言う「今いる場所」は樹林と広場の両方を含むので、「樹林→広場」と「広場→広場」の2通りの移動ができます。樹林への移動はできません。

 また、放浪部族は移動に関する特殊能力を持ちます。

孤独な放浪者:放浪者コマは兵士コマではない。放浪者コマはマップ上から取り除かれない。

身軽:あなたは広場の支配を無視して移動できる。

 放浪者コマは兵士コマではないため、放浪部族は広場を支配することができません。その代わり支配を無視して広場の間を移動できます。

 ちなみに、森林連合の反乱や助力系カードによる除去などが放浪部族の居る広場で起こった場合、放浪者コマは取り除けないので代わりにアイテム3つを損傷状態にします。

 広場から樹林に入る方法は、鳥歌フェイズを説明する時に話します。

ハンマー

 入手方法:開始時アイテム、遺跡アイテム、クラフト

 ブーツと比べて初期で持ってるキャラクターが少なく、カードも希少なため遺跡以外での入手が困難なアイテムです。

唯一ハンマーをクラフトできるカード

 ハンマーは修理アクションとクラフトアクションに使用します。

 「修理」は損傷状態のアイテム1つを非損傷状態に戻すアクションです。修理する際は修理されたアイテムの裏表を変化させずに、損傷アイテムボックスから通常のかばんエリア(または所定の位置)に移動させます。

 「クラフト」ではカードに記載されたコストと同じ動物種の広場で、記載されたコストと同じ数のハンマーを使用して行なえます。クラフトで手に入れたアイテムはかばんエリアか所定の位置に未使用で配置します。

キツネの広場でハンマー2つを使用済にして、キツネ2のコストを満たしてクラフト

 このように放浪部族のクラフトは他派閥とは仕様がちょっと異なり、そのため放浪部族にはクラフト不可能なカードが存在します。

3種類の広場に同時に居ることはできないためクラフト不可

ハンマーは最大3本なためクラフト不可

 入手方法:開始時アイテム、遺跡アイテム、クラフト

 初期アイテムとして持つキャラクターがそれなりに居るが、クラフト難易度が比較的高いアイテムです。

ツールが2つ必要になります

 剣は戦闘アクションに使用します。

 「戦闘」のやり方は基本的に他の派閥の戦闘と同じですが、放浪部族は兵士コマを持たないのでヒットの受け方と、ヒット数上限の数え方が特殊です。

 まずは放浪部族が相手に与えられるヒット数上限、これは放浪部族が持っている非損傷状態の剣の数に等しいです(使用済でも構いません)。

 また、非損傷でない剣を1本も持っていない放浪部族は無防備状態扱いになり、戦闘において追加ヒットを受けてしまいます。

 そして放浪部族がヒットを受ける時、受けたヒット数に等しい数だけ非損傷のアイテムを損傷状態にします(未使用と使用済の状態はそのまま)。奇襲カードで受けたヒットも同じです。

剣を使用して戦闘を開始し

非損傷の剣は2本なので与えるヒットは2
1ヒット受けたのでハンマーを損傷させる
クロスボウ

 入手方法:開始時アイテム、クラフト

 レアアイテムですが、同時に使い道が限られるアイテムでもあります。

剣よりクラフトは簡単、その分VPも少ない

 クロスボウ狙撃アクションに使用します。

 「狙撃」は今放浪部族がいる広場から敵の配置物を1つ無条件で取り除くアクションです。戦闘時と同じく兵士が優先して除去され、兵士が1人も居ない場合は建物もしくはトークンを取り除きます。建物やトークンを取り除いた場合は1VPを得ます。

水筒

 入手方法:開始時アイテム、クラフト

 ここからはかばんエリアではなく、派閥ボード上のターンの流れの所定の位置に配置されるアイテムです。水筒は鳥歌フェイズのエリアに配置されます。

森の動物に大人気の飲み物

 

 水筒は鳥歌フェイズ時に回復するアイテムの数を増やします。

 デフォルトでは各ターンの鳥歌フェイズの回復ステップに使用済のアイテム3つを未使用に戻しますが、所持している水筒1つにつき追加で2つ回復します。

 アイテム所持数自体は多くても、毎ターン回復量以上の数アイテムを使っていると使用済のまま回復しないアイテムが増えていき、いずれアクション回数に制限がかかるようになります。なので水筒は本質的にアクション回数を増やしてくれるアイテムです。

水筒を1つ持っているので、合計5つのアイテムを未使用に戻す
コイン

 入手方法:開始時アイテム、クラフト

 剣と並ぶもう1つの2ハンマーでしかクラフトできないアイテムです。また、基本セットでは唯一どのキャラクターも初期アイテムとして持たないアイテムです。  

 

どの派閥も欲しがる3VPカード

 

 コイン1つにつき夕闇フェイズ時に補充できるカードの枚数が1枚増えます。クラフトしたいカードを山札から掘り出したり、後に説明する援助アクションのコストを手に入れるのに役立ちます。

デフォルトの1枚に加えコイン1つあるので更に1枚

 入手方法:開始時アイテム、遺跡アイテム、クラフト

 色んな意味で初手に一番欲しいアイテムです。遺跡ガチャで出ないとちょっと嫌な気分になります。理由は使い方にて。

かわいい

 

 袋は所持できるアイテムの上限を袋1つにつき2増やしてくれます。夕闇フェイズの袋が配置されるエリアをよく見ましょう。

4. かばんエリアにあるアイテムが6つ(袋1つにつき+2つ)以下になるように越えた分を取り除く。

 このように、袋がない場合かばんエリアに保持しておけるアイテムの上限は6つです(損傷アイテムボックスもかばんエリアの一部であることに注意)。あくまでかばんエリアの上限なので、それ以外に配置される水筒、コイン、袋の数は入れません。

 アイテムの数≒アクション回数なので、アイテムを多数保持したい放浪部族には欠かせないアイテムです。

 取り除かれたアイテムがゲームから無くなり、再入手する手段はありません。

 

 アイテムは以上の8種類です。しかし上で説明したアクション(探索、特別、移動、修理、クラフト、戦闘、狙撃)の他にまだ2つアクションがあります。

援助アクション

 放浪部族は任意の未使用のアイテムを1つを使用済にして援助を行うことができます。援助を行う時、放浪者コマがいる広場に配置物を持つプレイヤーに対し、その広場に対応する動物種のカード1枚を手札から渡して、代わりにそのプレイヤーの作成アイテムボックスからアイテム1つを貰ってもよいです。

 ちなみに、アイテムはあくまで「貰ってもよい」なので、相手がアイテムを持っていない場合やアイテムを貰いたくない場合でも、援助してカードを渡すことができます。後述する関係性を上げるためですね。

キツネの広場で援助を行います
戦闘するつもりがないので剣を使用して援助します
手札にあるキツネのカード1枚を渡して、相手がクラフトした袋を貰います

 援助で貰うアイテムは未使用状態で得ます。

かばん

入手したアイテムは未使用状態になる。

修理されたアイテムは使用状態を保つ。

 

損傷アイテム

修理されるまで使用できない。

 また、援助に使うアイテムは任意なのでかばんエリア以外にある水筒、コイン、袋も使用できるのですが、これらのアイテムは使用済になるとかばんエリアに移動し、本来発揮する効果が消えます。鳥歌フェイズの回復で未使用に戻ればまた所定の位置に戻ります。

 そして援助にはもう1つ重要な要素が関わります。各派閥との関係性です。

(左上)関係

1ターンの内にある派閥にX回以上援助することでその派閥の関係マーカーを右に移動させる。

 放浪部族は各派閥それぞれとの友好の程度を表す関係マーカーを持っています。友好度には無関心(Indifferent)から同盟(Allied)まで4段階あり、それぞれの段階を上がるためには「1ターン内で指定された回数以上援助を行う」必要があります。

 指定された回数というのは、その派閥の関係マーカーがある欄の右に書かれている数字に等しいです。

 指定された回数の援助を完了すると、関係マーカーが右の欄に移動し、移動した先に書かれたVPを放浪部族が得ます。

侯国に1回援助して関係性上昇させて1VP

更に王朝に2回援助して関係性上昇で2VP!

 

 関係性の上昇自体もVPになりますが、一番高い段階の関係性である同盟になるといくつかの特典があります。

同盟

移動や戦闘を行う時、同盟の兵士を参加させてもよい。

援助を行うたびに+2VP

 援助によるVP獲得は単純で強力、手札にあるカードが全部2VPになりますからね。

 もう1つの特典の方を詳しく説明します。

 まずは移動、これは放浪部族が移動アクションを行う時に、自分と同じ広場にいる同盟相手1人の兵士を、任意の数だけ一緒に移動させることができるものです。その際、支配のルールには従う必要があり、つまり同盟相手が移動元か移動先のどっちかを支配している必要があります。

同盟相手の兵士を自由に動かせる(相手の同意は必要ない)

 戦闘の方について、これは放浪部族が攻撃側として戦闘する時にのみ使える特典で、その広場に居る同盟相手1人の兵士を全員戦闘に参加させてもいいというものです(一部だけ参加させることはできません)。

 戦闘に参加させた場合、放浪部族側が与えられるヒット数の上限に参加した同盟兵士の人数が加算されます。

剣2本に同盟兵士2体が加わってヒット数上限は4

 さらに、放浪部族が受けるはずだったヒットを、同盟の兵士に肩代わりさせることができます。

同盟にヒットを受けてもらって自分は無傷
おや?鷲巣王朝の様子が……

 この肩代わりのヒット数は自分と同盟の間で自由に割り振ることができます。ただし、「同盟相手に割り振ったヒット数が自分の受けるヒット数より多い」場合、その同盟相手は即座に敵対状態となります。

 ということで、次は敵対状態の説明です。

敵対状態

 放浪部族が任意の手段(戦闘、狙撃、助力系カードのクラフトなど)で他プレイヤーの兵士コマを1体以上除去した時、そのプレイヤーの派閥は即座に敵対状態になります。(上記の同盟との戦闘では、赤字のようなヒット数の振り分けでなければ敵対にはならない)

 敵対状態になった派閥の関係マーカーは敵対する前の関係に関わらず即座に「敵対」のエリアに移動されます。

敵対

敵対派閥の兵士が居る広場への移動では、追加でブーツをもう1つ使用する。

あなたのターンに戦闘によってあなたが取り除いた敵対派閥の配置物1つにつき+1VP。

 一度敵対すると、放浪部族はその敵対派閥の配置物(建物、トークン、兵士含む)を破壊するたびに1VPを得られるようになります。これは悪名と言い、放浪部族にとってかなり大きいVP源の1つです。

 VPが手に入る代わりに、敵対派閥の居る広場への移動にデバフがかかるようになります。移動出来る回数が減るだけでなくアイテムの使用量が増えるので、回復の問題を加味するとアクションの回数そのものが減ります。

 いつ誰と敵対するかは考えた方が良いでしょう。逆に他派閥が放浪部族を押さえつけたい時は攻撃して自分の兵士を「取り除かせる」と強制敵対になるので抑止力になります。

 後は補足として敵対派閥に援助を行うことに関してですが、これは通常通り行なえて、カードを渡してアイテムを貰うことができます。ただし関係性が上がらなくなるので、アイテム目当て以外で援助する旨味はなくなります。

エストアクション

 ここでようやくセットアップで3枚めくって以来全然ゲームに関わってこないクエストの話をします。

エストカード

ネズミの広場で

クマ退治

松明、クロスボウ→クエストを解決し、報酬を1つ選ぶ。

カード2枚を引く or 解決したネズミのクエストカード1枚につき+1VP

 クエストアクションを行う時、公開されている未解決のクエストカード3枚のうち、放浪者コマが今居る広場と対応する動物種のクエストカードを1枚選びます。そして選んだカードに記載されたアイテム2つを使用済にし、クエストカードは解決されます。解決したクエストカードを自分の手元に置き、報酬としてカード2枚を引くか、同じ動物種の解決済みのクエストカード(たった今解決したカードも含む)の枚数分だけVPを得るかを選びます。報酬を得たら最後に新しいクエストカードを1枚引いて、クエストアクションは終了です。

キツネのクエストカードなのでキツネの広場で指定のアイテムを使用済にして

報酬としてカード2枚を引く

 私はあまりクエストアクションを活用できていませんので特別語れることはないです。多分足りない手札の補充や後1VPみたいな状況でしっかり1VPを詰めるためにするんじゃないですかね。

 これで放浪部族のアクションは全て説明しましたので、次はいよいよターンの流れに入ります。

放浪部族のターン

鳥歌フェイズ

  1. アイテムを3つ(水筒1つにつき+2つ)回復する。
  2. 潜入:隣接する広場や樹林にノーコストで移動できる。

 アイテムの回復は水筒の項で説明した通りです。(ついでにターンの流れの配置欄には最大3までしか置けないことも補足しておきます。越えた分はかばんエリアに置きましょう。)

 2つ目の潜入は唯一樹林に入れる手段です。また、潜入ではコストであるブーツを使用せずに移動できるため敵対派閥の居る広場に入りやすいです。

隣接するならばどこにも潜入できる
昼光フェイズ

ブーツ→移動(樹林への移動は不可)

剣→戦闘(最大ヒットは非損傷状態の剣の数に等しい)

松明→探索:あなたが居る広場の遺跡からアイテム1つを得る。+1VP。

任意→援助:あなたが今居る広場に対応する動物種のカード1枚をそこに居る他プレイヤーに渡す。そのプレイヤーからアイテム1つを得てもよい。

要求されたアイテム2つ→クエス:クエスト1つを解決し、新しいクエストをめくる。

クロスボウ→狙撃:あなたが今居る広場にある配置物1つを取り除く。兵士が優先される。

ハンマー→修理またはクラフト(クラフトする時、ハンマーの動物種はあなたが今居る広場の動物種と同じである。)

 概ね全部上で説明した通りです。

夕闇フェイズ

  1. 夜の休息:あなたが樹林にいるならば、全てのアイテムを修理する。
  2. カード1枚(コイン1つにつき+1枚)を引く。
  3. カードが5枚以下になるように超えた分を捨てる。
  4. かばんエリアにあるアイテムが6つ(袋1つにつき+2つ)になるように超えた分を捨てる。

 2、3、4に関しては特に説明することはありません。1について話しましょう。

 夜の休息は夕闇フェイズ時に放浪者コマが樹林にいれば全ての損傷アイテムを修理するというステップです。当然ハンマーなどを使用する必要はありません。戦闘や反乱などで傷ついた時に態勢を立て直すのに最適です。

 しかし夕闇フェイズに樹林に居るためには鳥歌フェイズの潜入で樹林に入り、昼光フェイズ中もずっと樹林にいる必要があります。(昼光フェイズに樹林から出ると樹林に戻る手段がないですからね)

 ほとんどのアクションは広場に居ないと実行できないため、これは実質1ターンパスすると同義です。(唯一できる修理アクションも、夜の休息目当ての場合行うのは無意味です。よく出来てる。)

 放浪部族を抑制したい場合は殴ってアイテムを損傷させると、1ターンパスするか使えないアイテムを抱えながら行動するかの択を迫ることが出来るということですね。特に損傷させたくない剣、水筒、袋などにダメージが届くと非常に効果的です。

 以上が、放浪部族ができることの全て……ではありません!(もう9000字やぞ、正気か?)

共闘軍

 皆さんは圧倒カードを覚えていますか。このブログでは戦略解説でもあまり話題に出ないのでこのブログだけでルートを学んでくれている方たちは多分もう覚えていないでしょう。

 注目して欲しいのは一番下の黒地のところです。

4人以上のゲームであなたが放浪部族ならば、共闘軍を結成できる。

 圧倒カードは元々カードに指定された広場を支配して、自分のターンの開始時にその支配が維持されていれば特殊勝利できるというルールです。しかし、放浪部族は広場を支配することができません。代わりに共闘軍を組むことができます。

 圧倒カードを使用して共闘軍を組むには通常の場合と同じく既に10VP以上持っている必要があります。その状態で圧倒カードを使用すると、放浪部族は自分のVPマーカーを得点表から取り除き、代わりにその時点でVPが一番低いプレイヤーの派閥ボード上に置きます。そのプレイヤーは共闘軍になります。

 放浪部族の目標は「共闘相手を勝利させる」ことで、共闘相手のVPが30を超えると共闘相手と放浪部族の両者が同時勝利になります。

 強制的に一番VPが少ない相手と組むことになるので、大逆転劇が期待できますね。

細かいルールの補足

 敵対派閥と共闘軍を組んだ場合、その敵対派閥の関係マーカーを無関心に戻します。

 カードや派閥ボード、総合ルール含む全てのテキストで「敵(enemy)」と表現される場合、そこには共闘相手を含みません。

 そのため、助力系カードで共闘相手の配置物を取り除くことも、共闘相手に狙撃や戦闘を仕掛けることも一切できません。私が確認できた範囲では、共闘相手の兵士コマを取り除いて敵対する手段は存在しません。

 共闘と同盟に特に関連性はなく、共闘したからといって同盟時の特典が使えるわけではありません。

キャラクターカード

 ようやくキャラクターの紹介……の前に、まずいくつか説明を。(また?)

 基本セットに収録されているキャラクターカードは3種類ですが、最初の拡張である「ルート拡張 ~さざめく河のけだもの軍記~」(以降河岸拡張)では新しく3種類のキャラクターが追加され、その2年後に発売されたミニパック「Root: The Vagabond Pack」(日本語未発売)(以降放浪部族パック)で更に3種類追加され、現在では合計で9種類存在します。なお、何故か未発売なのに日本語版根の法典には記載があるので用語は合わせます。

 更に、放浪部族パックにはそれまで共通の放浪者コマを用いていた各キャラクターたちの専用コマが封入されています。むしろこっちがメインなまである。

文字通りの手のひらサイズのミニパック

全員かわいい

 

 ひとしきり愛でたところでやっとキャラクター紹介です。初期アイテムと特殊能力に留めた簡単な紹介になります。

盗賊

松明→盗み:あなたと同じ広場に居る他プレイヤー1人からランダムでカードを1枚取る。

開始時アイテム:ブーツ、松明、水筒、剣

 人のカードを盗み取るアライグマの盗賊です。

 盗んだカードを使ってそのまま援助でカードを返してきたり、逆に他のプレイヤーに援助して渡したりとやりたい放題です。

 初期アイテムには自衛のための剣があり、更に唯一水筒を初期から所持しているため、行動回数的な自由度が一番高いキャラクターです。

デフォルトの放浪者コマは盗賊の外見をかたどってます。

修繕屋

松明→日雇労働:捨て山からあなたが居る広場と同じ動物種のカード1枚を取る。

開始時アイテム:ブーツ、松明、袋、ハンマー

 コツコツゴミを拾ってコツコツクラフトをするビーバーの修繕屋です。

 初期アイテムにハンマーを持つ数少ないキャラクターで、そのため遺跡ハンマーと通常ハンマーと合わせて最大3本のハンマーを持てます。

 特別アクションで捨て札を拾えるため、助力系カードを拾って、クラフトして、また拾う……みたいなコンボでマップを更地にすることもできます。

 修繕屋が居るゲームでは細心な注意を払って、ハンマーカードを渡さないようにしましょう。

歯がかわいい。

森護り

松明→隠れ家:アイテム3つを修理し、即座に昼光フェイズを終了する。

開始時アイテム:ブーツ、松明、クロスボウ、剣

 昔から森に住んでいるオオカミの森護りです。

 初期アイテムからわかる通り、攻撃的なキャラクターです。遺跡からアイテムを一通り集めた後、クロスボウの狙撃で派閥と敵対し、戦闘による悪名でVPを稼ぎます。

 特別アクションの隠れ家は戦闘で受けたダメージを回復し、樹林で休まずとも継続して戦闘ができます。昼光フェイズは終わってしまいますが他のアクションを先に済ませばそこまで大きいデメリットではありません。総じて動き方がかなりわかりやすいキャラクターです。

片目が失明しているらしい。歴戦の猛者に違いありません。

さすらい人

松明→焚き付け:あなたが居る広場で戦闘を開始させる。あなたが攻撃側と防御側を選び、あなたが両方の配置物を取り除く。

開始時アイテム:コイン、松明、ブーツ

 争いを好み誰からも嫌われるオポッサムのさすらい人です。

 特別アクションで勝手に戦闘をさせ、しかも配置物を取り除くのはさすらい人なのでVPは全てさすらい人が得ます。「あなたのターンかつ戦闘によって取り除かれる」の条件も満たしてるのでなんと悪名も得ます。まぁ悪名にふさわしい所業ではある。

 更にどの配置物から取り除くのはさすらい人が決めるため、侯国の建物や城砦トークンなどを都合のいいように取り除けます。

 一番すごいのは、防御側に自分を指定することができるので「俺を殴ってくれ。殴ったな?奇襲してやる。」みたいなこともできます。(自分を攻撃側に指定すると剣による戦闘とそんなに変わらない)

 とまぁ強そうに書きましたが、初期アイテムが少なく、攻撃にもクラフトにも向かないコインしか持ってないため、対処は比較的しやすいです。

悪そうな顔……なのか?コマになると何も考えてなさそうに見える。

仲裁者

保護:あなたが居る広場で発生した戦闘で、ダイスを振る前に防御側はあなたに協力させることができる。協力させた場合、あなたが持つ非損傷状態の剣の本数を防御側の最大ヒット数に加算する。あなたは1VPを得る。

開始時アイテム:ブーツ、松明、剣、剣

 弱者の味方として森を巡回するアナグマの仲裁者です。

 ……正直この特殊能力が使われるところを見たことがないのですが誰か使い道知りませんか?多分戦闘が起きそうな広場に先回りするプレイングが必要ですけどそうしてまで得られるVPは1点ですし、第一防御側は協力させてまで最大ヒット数を増やしたいわけじゃないことが多いです。

 じゃあ仲裁者は弱いのかと言われると当然そんなことはなく、初期アイテムとして剣を2本も持っているのが大きな強みになります。遺跡アイテムの剣と合わせるとかなり早期から最大打点を出せるので悪名によるVP収入は大きく、その代わりダメージを受けた場合は大人しく樹林で休む必要があり、そこが森護りとの差別点になりますね。

年寄りながら圧倒的な強さで森を渡り歩くツワモノです。

ならず者

松明→焦土:松明をあなたが居る広場に配置し、その広場にある全ての敵の配置物を取り除く。以降その広場にはあらゆる配置物を配置できず、その広場へ移動することもできない。

開始時アイテム:ブーツ、ブーツ、松明、クロスボウ

 広場を焦土に変え全てを無に帰すクロネコのならず者です。

 特別アクションは非常に強力に見えるが、松明を広場に配置する(つまりかばんからなくなってしまう)ため使えるのは一度きりです。よく考えて使いましょう。ちなみに侯国の城砦広場では使えません、城砦広場には侯国以外のプレイヤーは配置を行えないからですね。

 初期アイテムではブーツが2つあります。多分特別アクションで多数の派閥と同時に敵対することを想定したものですね。クロスボウはよくわかりません。

ネコだから侯国と関係があるのでしょうか?妄想が膨らみます。

冒険者

即興:各ターンに一度、クエストアクションをする時に要求されるアイテムの内1つを任意のアイテムで代用できる。そうした場合、代用として使用されたアイテムを損傷状態にする。

開始時アイテム:ブーツ、松明、ハンマー

 アイテムを自在に扱い依頼をどんどん解決していくメンフクロウの冒険者です。

 初期アイテムにハンマーがありますが、捨て札は拾えない(当たり前)なので攻撃性能は修繕屋ほど高くなく、こちらは正真正銘クエストやクラフトで稼いでいくキャラクターだと思います。

 能力を活用してクエストを解決してハンマーで損傷したアイテムを修理する、自己完結が出来てる分かりやすいキャラクターです。

フクロウってかわいい。顔の輪郭の線もキュート。

浪人

一閃:戦闘時に、ダイスを振った後、未使用の剣1本を使用済にして、1追加ヒットを与えてもよい。

開始時アイテム:ブーツ、ブーツ、松明、剣

 早業の抜刀術で敵を刈るタヌキの浪人です。

 こちらも初期アイテムにブーツが2つ用意されていますが、早めに各派閥と派閥と敵対しなさいという意味なのでしょうか?

 特殊能力については、この能力を使用するよりその剣で2回目の戦闘を仕掛ける方が基本的にはVPが稼げますが、ではどういう時に使うのかというと、損傷アイテム数が嵩みそう、つまり1回目の戦闘でまだ敵の兵士が大量に残りそうな時にさっさと追加の1ヒット与えて後はブーツで逃げる感じです。あまり使い勝手のいい能力ではないですが地味に役立つ時もあります。

アライグマの色反転版。ダークジャパニーズソルジャー。

追立者

松明→滑空:ブーツを使用せずに任意の広場(敵対派閥がいる広場でも)に移動する。

開始時アイテム:コイン、松明、クロスボウ、剣

 どこへでも自由に羽ばたいていくリスの追立者です。

 根の法典では追立者になっていますが、個人的にはいつも略奪者と呼んでいます。このブログ内では公式用語に合わせます。

 唯一初期アイテムにブーツを持たないキャラクターです。松明は序盤は遺跡探索に使いますので、序盤の移動は鳥歌フェイズの潜入が頼りです。

 後半になると滑空(これ何故か根の法典に訳名が乗ってないです。冒険者の即興も浪人の一閃も乗ってるのに。なので自分で訳しました)で防御の薄い広場目掛けて移動してクロスボウと剣で大量の悪名を稼いでいく極悪キャラです。正しく略奪者です。

元気でアホそうな顔。やってることは極悪。あとイラストがすごいエッチ。

ダブル放浪部族

キャラクター紹介が終わったら終わりと思いました?まだあります。

 本来このゲームに同じ派閥は2人以上同時にプレイに参加できないのですが、河岸拡張では2枚目の放浪部族の派閥ボードが封入され、放浪部族が2人同時にゲームに参加するためのルールが整備されました。ここで紹介しましょう。

2枚目の派閥ボードが入ってる。作りは全く同じ。

色違いの得点マーカーも
  1. 遺跡へのアイテム追加:2セット目の遺跡アイテムを遺跡タイルの下に追加します。これによって各遺跡タイルの下にはそれぞれ2つのアイテムが配置されてある状態でゲームが開始します。アイテムが2つ置かれてある遺跡タイルをあるプレイヤーが探索した場合、その両方を見て、1つ選んで獲得してもう1つは遺跡の下に戻します。ただし、同じプレイヤーが同じ種類の遺跡アイテムを2つ得ることはできません。もし遺跡を探索して既に獲得した遺跡アイテムしかなかった場合は何も得られず(VPも得られません)、松明も使用済のままです。遺跡タイルはアイテムが2つとも取られて初めて取り除かれます。
  2. セットアップの順番:2人の放浪部族のセットアップ順はランダムに決めてください。以上。
  3. エストカード:クエストカード総枚数と公開枚数は変わらず、2人の放浪部族で共有されます。
戦略イメージ

 以上が、放浪部族ができることの全てです。(今度こそ本当に全てです)

 キャラクター選択含めてあまりにもやれることが多すぎてもはや統一した戦略が存在しないが、とりあえず多すぎるVP獲得方法をまとめます。

  1. 遺跡探索:全ての放浪部族に許された共通の4VPです。キャラクターによっては目当てのアイテムを手に入れたら残りはスルーしてもよい。
  2. 援助:無関心から1段階上に進むにはカード1枚あげるだけでいいので、1段階は全派閥に対してやった方がいいです。アイテムが貰える時にやるとベター。2段階まで進められるのは概ね1~2派閥なので1段階目と合わせて合計で概ね5VPぐらい。同盟すると援助VPが大量に手に入りますが、その前に警戒した相手に殴られて兵士を取り除いちゃって(ダイスの出目には逆らえないのだ)敵対になることが多いです。同盟援助VPをメインに据えたいならあえて剣を一切持たないプレイもいいでしょう。
  3. 悪名:一番簡単に稼げるVPです。なにせ他の派閥が建物やトークンを取り除かないと得られないVPを、兵士を取り除くだけで得られるのですから。悪名を稼ぐ相手は基本的に盤面に兵士が多い(稼げるVPが多い)相手です。森林連合相手は戦闘で不利を取りがちですが、兵士数は少ないのでクロスボウを持ってるなら兵士を全員狙撃(注意!狙撃は戦闘ではないので悪名ポイントは得られない!)で取り除いてから無防備の拠点を襲えます。
  4. クラフト:全ての放浪部族には共通して遺跡から手に入るハンマー1本があります。これでクラフト出来るVPは1点のブーツ×2、袋×2、クロスボウ×1と、2点の水筒×2、ハンマー×1です。ハンマーカードがレアであることを加味すると水筒はできれば自分でクラフトしたいです。初期アイテムにハンマーを持つキャラクターなら2点の剣×2、3点のコイン×2まで視野に入れていいです。
  5. エスト:メインVP源にするにはいくらか条件が重いです。アイテム2個(しかも指定されたもの)使用は序盤に満たすのはかなり難しいのに、高いVPを得ようとすると数をこなす必要があるジレンマがあります。冒険者はクエストがかなり得意ですので、クエストをメインに据えてもいいでしょう。
  6. 特殊-支持トークンの破壊:初期にクロスボウや剣を持つキャラクターであれば、序盤の支持トークンを狩ることで数点VPを稼げます。蜂起で手札を取られたくないのであれば支援でVPに変えましょう。トークンの破壊では敵対しないので援助VPは普通に手に入ります。

 こんな感じでしょうか。後はキャラクターやクラフトできたアイテム、他派閥がクラフトしてくれたアイテムによって臨機応変にやりましょう。

 そして放浪部族の戦略の話ではないですが、他の派閥がどうやって放浪部族の歩調を遅くさせるかに関して。

 まずは「アイテムのクラフトを後回しにする」ですかね、クラフトによるVPは多かれ少なかれ各派閥には必要なのですが、放浪部族がいる場合は序盤から力をつけさせすぎないためにクラフトを後回しにしたほうが良いでしょう。しかしずっと後回しにしてたら先にクラフトされて、サプライからアイテムが無くなり得られたはずのVPをクラフトできないこともあるので、チキンレースになります。カードカウンティングも駆使してうまくクラフトタイミングを調整できるとルートうまくなった実感が得られます。

 次に「こまめに殴ること」です。至極単純、1ターン休みを強要する動きですね。ただ放浪部族を殴ること自体はVPを生まず無駄行動になりやすいので誰もやりたがらないのが難点で、概ね「放浪部族に抜かれるリスクを除けば一番勝ち目がある人」がする羽目になります。

 (これは放浪部族とは関係ない話ですが、ルートの多人数戦では基本的にVPでリードしてる人を2位の人が牽制し、2人が仲良く得点ペース落ちてる間に3位や4位に追いつかれ、またこの繰り返し……みたいな展開が多いです。いわゆる「派閥間で厳密にバランスは取れてないけどプレイングによって自然にバランスが取られる」タイプの対戦ゲームです。2人プレイもできますが基本多人数プレイがオススメされる理由です。)

最後に

 やっと基本セットのインストを完了させました、総文字数は概ね40000~50000字ぐらいです。アホかな?

 このようにルールの量があまりにも多いためお世辞にもボードゲーム初心者にオススメとは言えないですが、多種多様なゲーム体験が同じボード上で得られる魅力は非対称性ゲーム特有のもので、このジャンルの傑作の1つとしてルートは間違いなく数えられるでしょう。非対称性から生まれる面白さに触れてみたい人にはぜひ一度はやってみてほしい作品です。(私はそういうゲームを好むのもそうですがなにより説明書を読むのが大好きな変な子供だったのでこのルールの量には大満足です。一般的な共感は得られないと思いますが……)

 次の記事はたぶん河岸拡張に収録されてる派閥を紹介すると思います。いずれ会話形式のリプレイ記事も書きたいですね、私は「桜降る代に決闘を」というゲームも好きなのですがそのゲームのキャラクターにルートをやらせる記事のアイデアが一応あります。書けるかは未知数です。

 では。